誰かを護れる、そんな人に私はなりたかった。



俺は懐から、ある物を取り出す。



それは、中心に赤い宝石が埋め込まれている指輪のようなもの。



由樹さんの依頼の時。



俺は陣に対しての説明をこう言った。



"それは貴方を護る最後の盾。
全ての攻撃にも耐え抜くし、もし俺が殺されることがあっても、その陣の元が壊されるまでは継続されるから問題はないと思う。"



その陣の元がこの指輪。



いつの間にか手元にあったこの指輪は、能力を使うための媒介だった。



指輪を嵌める。



「さぁ、いくよ。ビビ。」


〈えぇ。〉



由樹さんの時と同じように、カラス兄弟やその仲間の周りが淡く輝き出す。



『我ハ守護神ノ力ヲ持ツ代行者。

我ヲ信仰ス者ニ"加護ノ陣"ヲ発動ス。

神ノ力ノ代償ハ……我ニ宿リシ力。』



この儀式は、俺の力の一部を分け与えるもの。



これをすると、危険な状況になった時、その力が与えられたものを護る仕組みになっている。



他にも、遠くにいてもテレパシーが繋がったり。



護り屋の仕事を手伝ってくれているカラス兄弟に、もしものことがないように。



それが、俺に出来る唯一のことだから。



「これで繋がりは大丈夫になったから、何かあった時は言って。」



〈真琴の旦那の加護があるなら大丈夫ですよ!!〉



〈どこが変わったかあんまり分かんないけどね~。〉



「まぁ、その陣が発動する時は君たちが危険な状況になった時だからね。
でも、そんな状況には絶対させないから。」



させるものか。



〈あの子たちの所にも行くの~?〉



「うん。他の所にも儀式しに行かないと。」



〈気をつけてくださいね!!〉



「ありがとう。」



そう言って俺たちはカラス兄弟と別れた。










次の目的地に行くまでに、少し説明しようか。



俺が使用する陣は2つある。



依頼主を護るための"鉄壁ノ陣"

力の一部を分け与える"加護ノ陣"



本当は巻き込みたくなかった。



でも、真琴1人じゃ仕事が出来ないってビビに怒られて渋々従者になることをお願いした。



あれから、従者になってくれたみんなの所に行き儀式をした。



実質、街を隅から隅まで回った俺たちが繁華街に戻ってきた時は、もう日が沈みかけていた。


< 37 / 182 >

この作品をシェア

pagetop