誰かを護れる、そんな人に私はなりたかった。
部屋の扉がそろそろ壊される。
「だが。」
そう言いかけて、燐理は私の頭にポンッと手を置いた。
「心配しなくても、お前なら出来んだろ。」
フフッ、らしくないな……。
«たまには燐理も良いこと言うんだね。»
「良いとこで入ってくんじゃねーよ由樹。」
横でぎゃあぎゃあと騒ぎ始める燐理。
耳元で聞く限り、由樹さんはそつなくあしらっている。
『……ありがとう。』
この2人には、いつも助けられてばかりだ。
ガンッ!!!!
『……さぁ、話は終わりだ。片付けよう。』
敵は十数人、銃を持っている。
あまり気楽にはいかないようだ。
「あー……それなんだけどよー。
ここは俺1人でやるわ。」
『……は?』
この人数を1人では能力の加護を持つ燐理でも流石に無理がある。
「お前がいかなきゃいけねぇのはどこだ?
ここでこいつらとやり合うことじゃねーだろ?」
私がいかなきゃいけない場所……。
それは……桜悠のところ。
『……絶対負けないで。
怪我したら許さない。』
「誰がこんなバカ共にやられなきゃなんねぇんだよ。
おら、いけ!!」
敵の上を飛び、廊下まで跳躍する。
燐理を信じる。
«無茶なことして。本当に今日は燐理らしくないね。»
「ハンッ、今日はあくまでサポート役だからな。
だが、流石にこの数はどうかと思っちまうがな。
……ひと暴れしようじゃねぇの。」