無口な彼の愛し方
「このメーカーのバッシュ、履きやすいですよ」


そう言い、あたしは下から自分のサイズを探す。


「履いてんの?」

「はい。小学校からずっと。あった」


あたしは見つけたバッシュの箱を開き、試しに履いてみる。

うん!良い、感じ。

再び箱へと戻し、あたしは箱を手に立ち上がる。


「買うの?」

「はい。これ以外のメーカーのバッシュ、履く気ないんで」


あれ、もしかして有村くんも買う予定だった?


「あの、あたしと一緒のバッシュじゃ嫌ですか?」

「別に」


その言葉に、ホッとする。


「じゃ、また」


そして、その日は充と別れた。

その後、練習に来た充は、あたしと同じバッシュを履いていた。

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