Ri.Night +

「チッ」


どうやら図星だったらしく、わざわざ頰っぺたを離してまで顔を背けた十夜サン。


そんな背凭れに凭れて外を眺めても膝枕してるあたしからは丸見えな訳で。

寧ろ必死に繕ってる感が可愛いというか。




「っていうか、いい加減壱に遊ばれてることに気付けよ」

「……あ?」

「ん?」



壱さんに遊ばれてるって一体どういうこと?


十夜も訳が分かんないみたいで、外に向けられてた視線が車内へと戻ってきた。


膝枕されたままのあたしには見えないけど、きっとバックミラー越しに視線を交わしてるんだろう。


いつものあたしなら身を乗り出して会話に参加するんだけど、十夜の膝枕というこの美味しい状況を逃す気にはならず、不参加。

とりあえず成り行きを見守るということで。

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