恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)
「…本当に気にしなくていいの?」と私は口ごもる。

なくした家族の思い出は切なく悲しいだろうと思う。
…私も修一の思い出す時、懐かしさと一緒に胸が痛い。

そう思うと、

…リュウがそれで良いって言うのなら…
この、贅沢な品物も貰っておいていいかもしれないと思う。


「ナナコ、どれも良く似合ってる。
これからも使ってくれると嬉しい」
と、リュウはテーブルに置かれた私の指の先をそっと握った。

お待たせしました。
と難しい話が終わるのを待って、料理が運ばれてくる。

オードブルを食べ終わるタイミングをウェイターははかっていた様子だ。

私は
「美味しそう」とリュウに笑いかける。

リュウも、私がもう怒っていないと知って、ホッとした顔をして私の手を離し、

「ここのラビオリ、美味いんだよ」と嬉しそうに笑った。
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