恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)
仕事に戻って、21時。
西島先生と仕事を終えたリュウがやって来た。

リュウが
「チビちゃん落ち着いてるんだって。」とニコニコしている。

「小さいなー、触っていい?」とクベースに近寄る。

「むやみにクベースの窓開いたら体温が下がるからダメ。」と私が止めると、

「えー!俺って親みたいなもんじゃん。家族は触っていいんでしょう?」

と西島先生を見るので、西島先生は笑って、

「ナナコが処置する時なら、いいんじゃない。リュウが取り上げたんだし。」と言った。

「20分待って。」

と、私が笑うとリュウは頷いてクベースの前から動かずベビーをみつめている。

そういえば、と
「家族って会いに来てませんよね。」と西島先生に確認する。

西島先生は苦い顔で
「うーん、そうなんだよねえ、俺も勧めてはみたんだけど
…まだ、受け入れに時間かかりそうだよ。
莉緒ちゃん、喋らないし、親はまだ信じられないってかんじでさ」

「事件って訳では無いですよね。」と私は確認する。

「それは大丈夫みたい。
相手の男の名前は親が聞き出してたし。
近所の幼なじみみたいだよ。親に隠れて付き合ってたって感じ」私は少しホッとする。

そして、
「莉緒ちゃん、誰にも相談出来なかったのかな?可哀想に…」と言うと、リュウが振り返り、

「親はなくても子は育つ。
莉緒ちゃんにも、家族にも、覚悟がないなら、親にならなくてもいいんじゃない」と厳しい。
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