恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)
その時、リュウが呑気な声を出す。

「あのさー、
なんで、誰もチビちゃんに会いに来ないの?
すごーく可愛いよ。
俺、さっきも会いに行っちゃった。
手のひらに触ったら、一所懸命俺の指を握ってきた。
あの子は頑張って生きてる。
あんなに小さく生まれたけど、1人前の命だよ。
俺は、すごく愛しい。
莉緒ちゃん達が、あの子を要らないなら僕にくれないかな。
僕が親になるよ」といった。

うわー言いましたね。

その場にいた誰もが凍りつく。

「尾崎、軽々しくそんな事を言うんじゃない」と、小松医長が、怒った声でたしなめる。

「先生、俺は軽い気持ちでそんな事は言ったりしませんよ。」と、リュウ。

「じゃあ、養子にするってこと?」と西島先生が聞く

「そういう事。
俺がさっさと結婚して、申請すればいい」

西島先生はあきれて、

「お前、それじゃ、まだまだ時間がかかるだろ」と言った。

「子どもに関心がない親に育てられるくらいだったら、
施設に入ったほうがいいよ。
俺と奥さんになった人ががたくさん会いにいくし、
きっと、早く引き取れる。」とリュウは強い口調で言う

「それに」と、私のほうを向く。
「来年の今頃にはパパとママって呼んで、歩いてるかもしれない。
あー、でも、障害があって、ずっと喋ったり、歩いたり出来ないかもしれない。
上川さんは、障害のある子どもは育てられないかな?」

ここで、私に振る?

リュウはニッコリして、私の言葉をまっている。

きっと、リュウは私に意見を言わせて、ベビーのことを家族に考えて欲しいのだ。
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