てるてる坊主にコロサレタ
「やめてぇーーーっ! 」


その途端、潤子が悲鳴をあげた。

我ながら上出来。
これなら首なし坊主も“ほのか”だって分かるはずだよね。


飛びかかってくる潤子が、あと少しでてるてる坊主を奪えそうな絶妙なタイミングで、わたしは窓の外へと投げ捨てた。


わたしの体を通り抜けて、潤子は窓枠から身を乗り出した。
けれど地面へと落ちていくてるてる坊主に手が届くわけもない。


「ほのかがっ、ほのかがぁぁー! いやぁーーーっ」

「ママッ! ママ危ないよっ! 」


混乱して窓から落ちそうな潤子を、ほのかが抱きついて必死に教室の中に引き戻したけれど。
< 154 / 187 >

この作品をシェア

pagetop