INFATUATOシンドローム

時雨「この子、雪が拾ってきたんだよ?名前はまだないんだけど」


やっぱり雪くんが。もしかして飼ってくれてるのかな?


璃夢「名前ないと不便じゃない?」


時雨「でも、みんな猫ちゃん、猫ちゃんって呼ぶから」


そっか、私も猫ちゃんって呼んでるしね。じゃあこの子の名前は猫ちゃんだね!


時雨「あ、氷。ちゃんと当てるんだよ?」


そう言って私に氷の入った袋を渡してくれた


璃夢「ありがとう、時雨」


時雨「どういたしまして!」


時雨から氷袋を受け取るとすぐに鼻に当てた。

はぁ〜鼻の熱が取れていく感じがする。


「にゃー」


膝に乗せていた左手を舐める猫ちゃん。まるで大丈夫か?って言っているようだった


璃夢「心配してくれてるの?ありがとうね」


そう言って喉ら辺を撫でてあげると


「にゃぁ〜ん」


私の手に擦り寄ってきた

か、可愛いっ!!


時雨「やっぱり、変な感じするな」


璃夢「ん?なにが?」


私は猫ちゃんを撫でながら聞いた


時雨「この部屋に家族以外の人入れたことないからさ。璃夢がいるのなんか新鮮」


璃夢「そうなの?友達とか呼ばないの?」


時雨「ははっ、呼べない。だってウチ、極道だよ?言ったら絶対離れていっちゃう。」


氷で抑えている隙間から見えた時雨は泣きそうな顔をしていた。そして俯いてしまった時雨。

もしかして今までもそうだったのかな?極道だからって遠巻きにされたりしてきたのかも…

他人から一線置かれるのって辛いし、いつまで経っても慣れないもんね…まぁ慣れるなんてダメなことだけど慣れるしかない時も…あるって分かるし…。


璃夢「時雨、心配しなくても僕は離れていったりしない。」


私は氷を顔から離し、猫ちゃんを膝から下ろして立ち上がった。そして床に座っている時雨に近づいた。


時雨「璃夢…?」


璃夢「だって『時雨』は『時雨』でしょ?みんな極道を怖がるけど時雨が怖いわけでもなにかしてるわけでもないでしょ?」


時雨「っ……」

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