三月の雪は、きみの嘘
「もちろん」

ちくっと痛みがお腹のあたりに生まれたけれど、これも見ないフリをした。

「そっか。文香は昔から人なつっこいからね。でも、よかった。お母さんもがんばらなくっちゃね」

「そうそう。大黒柱なんだからね」

おどけながら、心で謝る。


お母さん、ごめん。私、今ウソをついたよ。


だけど、お母さんが笑ってくれたからこれでいいんだよね? 


これまでもそうしてきたし、これからも。ウソをつく罪悪感さえ無視していれば心配をかけずに済むから。


お茶をひと口飲み込んでから、私はまた笑った。












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