三月の雪は、きみの嘘
「そうなんだね」

まるで自分のことみたいにうれしそうに笑う学級委員は、「じゃあ、また明日」と軽く頭を下げて歩きだす。


……またウソをついちゃった。


足を前に進めるたびに罪悪感が増してきて、なんだか泣きそうなくらい悲しくなってきた。

いつだってそう。

本当はウソをつく自分が嫌いなのに、どうしてウソをつき続けてしまうんだろう。

気が弱いタイプでもないし、小さいころは逆にウソがつけなかったような記憶すらあるのに。

本当の性格とはかけ離れた自分を演じてしまうのはどうしてなんだろう。

気に入られたいから? 嫌われたくないから? 


……結局はいい子ぶりっこなのかも。


自己嫌悪におちいりながら階段に差しかかったとき、そこにいる人影に気づいた足がブレーキをかけた。

壁にもたれて私を見ていたのは、拓海くんだった。


「あ……」


目が合った瞬間、すぐに逸らされ、彼は教室のほうへ歩きだす。


きっと今の会話、聞かれていたよね……。


また責めるような目で私を見ていた。


言いたいことがありそうなのに、なんでいつも無言で去っていくのよ。
< 34 / 49 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop