三月の雪は、きみの嘘
「だって、冷たい……いや、クールな人だと思ってたから」

「そうかな? 同じだけどな」

全然違うって。まるで人が変わったみたいじゃん。

いぶかしげな顔をしていたのだろう、拓海くんは首をかしげた。

「どうして怒っているの?」

「怒って……?」

「うん。なんだか怖い顔しているし」

そのセリフを聞いた途端、もやっとした感触がお腹にまだあることに気づいた。


そうだ、昨日『ウソつき』って言われたんだった。


いや、正確に言うと、それに近いニュアンスで私を非難していた。

初めて交わした言葉が失礼な内容だったことを思い出し、表情に遅れて時間差で不機嫌な気持ちになってしまう。

「だって、ひどいこと言われたから」

あの鋭い目を思い出しつつ、ためらいながら言うと……。

「ひどいこと?」

拓海くんは繰り返した。
< 41 / 49 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop