どきどきするのはしかたない

「誤解しないで欲しい。本当に俺と彼女の間には何も無い。これは本当だ。嘘も誤魔化しでも何でもなく、本当だ」

俺を信じられるか?そういう目だ。

さっきの言い方…私が背負っている事が重いから、その負担を減らす為に言ってくれたんだ。そうだと思う。…そう思わなくちゃ駄目だ。

解らないからって疑心から決め付けてはいけない。
私って…本当ブレブレだ…はぁ。

…言わなくちゃ、このまま言わないままではいられない。言うなと言われても…やっぱり言わないといけない。

「…私」

「何もかも知っているから、涼葉の口から言わないでくれ、…頼む」

課長…私の口から言ったら私達の中は壊れてしまうからですか?
課長だって真実を聞くのは堪えられないのですか?
…それ程、好きでいてくれてると思っていいのですか?

「…課長が知ってるって言ったら、私、自分から言っては駄目なのですか?」

「ああ、言わないでくれ。…真実は同じ事でも、知っているという事と、聞かされるというのでは違うんだ。解って欲しい。
だから、今後一切言わないでくれ。頼む」

…課長。…でも、言わないなんて苦しい。こんな思いで続けるなんて、苦しくて出来なくなる。
素直に言っては駄目なのですか?
私からしたら逆です。知っているからといって、言わないでいる事が、苦しいです。
それが同じ答えでも。自分から話して知って欲しいです。

…課長、ごめんなさい。
私はどっちを選択しても、課長とはもう居られなくなりますね…。

「課長…私は、七草さんと」

「言うな!…言うな……」

あっ…、抱きしめられた。
口を塞がれた。…塞がれ続けた。
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