どきどきするのはしかたない

この事は知っても知らなくても構わないかも知れないが、一応課長に知らせておこうと思った。

【私の同僚、隣の席の子ですが、月曜の夜に、課長が女性と歩いているのを見たと朝から騒いでいます。私にだけですが。私と歩いていた事では無くて、結婚相手の人の事だと思います。
だから、わざと私にショックでしょと言いながら、教えてくれました。
私が今でも課長を目で追う憧れの人だと思っているからです。私と課長の事は誰も知りません】

課長…、見るだけかも知れないな。

ブー、あ。

【元、だろ?もう関係無い人だ。いつまでも結婚相手という言い方はしないで欲しい】

…あ。送って後悔したと直ぐ思った。自分達の話している温度とは差がある…。
もう少し考えてからにすれば良かった。確かに一緒だった、それだけの事だって…。思っておけばいいんだって。
……だけど、私、相手の女性の名前は知らないし、話す時、呼びようも無いですから。結婚相手と呼んだ事は仕方ないです。一々、元とか、だった人、と言うのも…。嫌味っぽくならないかな…。

【失礼しました】

…直ぐこうやって拗ねてしまう。拗ねた気分のまま直ぐ反応して、またその気持ちのまま送ってしまう。
はぁ。どうやら、この話は下らない話だったらしい。掘り下げて話を続けるつもりは無いらしい。当たり前だ…今から仕事ですから。

あ、…私と課長の事は、七草さんは知ってるんだった。そんな事は…訂正してわざわざ送らなくていい…。解っている事。墓穴を掘ってしまうし、送れば更に機嫌を損ねてしまう。
今のメールだって伝えなくてもいい、朝からこんな話、っていうような事だからだ。
少しは時間帯も考えたら良かったのに…全く無頓着だった。興味本位で話を振ってきた子と同じ感覚で…。
こういう事の配慮…冷静に出来る出来ないの差は大きいと思う。…はぁ。
後々、性格の問題として響きそうな気がする…。
基本性格って、直るモノでは無い気がする。
< 111 / 171 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop