どきどきするのはしかたない

知らない頃の事を全て聞いて、平然と居られる程、私は出来ていない。
それが、変えられる事の出来ない過去の事だとしても…そこに芽生えるのはただ嫉妬だけ…。
だから知らなくていい事は知りたくない。だけど、疑問はすっきりしたい…。

相手に興味が無いのとは違う。課長もそうなのかな。
七草さんとの事…言わないでくれって。でも、…何で知っているんだろうか。
…まさか…帰って来てる私の跡を追い掛けてくれたんじゃないのかな。
それで、マンションに着いて部屋に入るまで、声を掛けなくても、無事に帰る事は見届けようとしてくれたんじゃ…。
なのに、私は自分の部屋に入る事も無く、帰ったその足で七草さんの部屋を訪ねた…。
私からは見えなくても、ドアを開けた七草さんからは、課長が見えたのかも知れない。
…全部想像だけど。

話すなと言った課長には聞けない。それは出来ない。かと言って、七草さんに真意を確かめたところで、その行動に…私がまた落ち込むだけだ。

あぁ、…。利用すればいいんだって、…七草さんにしても、そんな…自分の気持ちを殺すような事を言って…。弱くて都合よく流されて……それは許して欲しくて。…本当、奔放に生きているな…私。

かに玉、冷めてしまって、水分も飛んで、ふわふわだった玉子もカチッと固まってしまってる。だけど…冷めてるくらいが丁度いいんだ。暑い時期、熱い物よりは食べやすい…。

課長はいつもどうしているんだろう。遅くなって帰る事が殆どだろうと思う。……。
そんな毎日でも、それなりに自炊はしてるのだろうか。
課長の部屋はいつも綺麗に片付いていた。
チラッとしか見なかった時のリビングも、散らかっている時なんか無かった。
律する…。課長はちゃんとしてる。
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