どきどきするのはしかたない
ポツリ、ポツリと優しく食むキス。顔はまだ凄く至近距離にあった。
「…フ。何か待ってるなら…別に愛徳から襲ってくれていいんだぞ?」
「あっ、…そんなのは…」
「…コンタクト、外してるから、近くじゃなきゃはっきり見えてないんだ」
髪を梳かれ頬に触れた。
「だから、近くにって…」
「…ああ」
…知らなかったな。言われて見れば、昔のような眼鏡じゃ無いから、そういう事になるのよね。
…発情スイッチが簡単に入り易くなってるのかな。
「…ちょっとだけ、襲いたいです」
裸の上半身に抱き着いた。
…。
「…ん?…ぁあ?愛徳の襲うって、これだけか?」
「はい、そうですよ?」
…キスの後、ギューッと抱きしめられたかったから。
「だったら、襲うって言うな。身構えた俺はドキドキ損だ」
ガバッと上に引き上げてボタンなんか無視して強引に服を脱がされた。
また顔を寄せてジッと見てる。指先を掛けて少しずらされた。
「俺のお守り、どうやら効かなかったみたいだな。流石だな。…凄く濃くなってる、痛かっただろ…」
指先がツンと触れた。多分、そこにだ。課長の…嫉妬のしるし。
…これは、すみません…そういう事です。これがまだ課長と私の許容範囲って…そういう事なんです…。
「痛いだろうから、もうこの上にはしない…。という事は、こっちのお守りなんて、容易く…部屋に入った途端にって事か…」
唇に指先が触れた。抱きしめられて下着を外された。
「愛、徳…」
「あ、はい」
…。
「はい?」
…。
「はい?…七草さん?え?…眠ってます?」
…。
あ、スースー言ってる…眠ってる。…はぁ。帰って来るのを起きてずっと待ってくれていたんだ。こうして横になってしまったら、睡魔が来て当たり前よね。
…何か、中途半端に脱いでいるのが、変にいやらしいんだけど。
実際はすっぽりって訳にはいかないのだけれど、私の中に抱き込んだ。
私も眠くなって来た。
今日っていう日に休みを取っておいたなんて…。
何でもないただの偶然の休暇かな。
七草さんは解らない人だと、私から不思議な人にしてるのかな…。