どきどきするのはしかたない
確かに個人的な話。会社で話すかってくらい超個人的で込み入った話…。
そんな事を呼び出してまで話そうとする課長なんて、…課長らしくないと言えば課長らしくない。
余程、焦っているというか、急いているという事かな…。話したいのは確かなんだろう。
…拒否設定。解除しておこうか。黙って解除しておいても意味は無いだろうけど。
課長が諦めずに試みていたら、その内、何かしら届くかも知れない。
…はぁぁ、私は何をしてるのか。これでは…いつまで経ってもふっ切れはしない。
何だか…、すっきりさせようと切り替えるには、まだ無理なのかも知れない。話があるというなら、事情を聞いてみないといけないかな…。
終わった事だと、関わりを持たないように努力する前に、終わらせるべきモノがまた出来たという事。
…んー。…。
【お疲れ様です。話があるというなら聞きます。愛徳】
私から歩み寄ってしまった…。でも。
会社でまた呼ばれるのも…そんな事が続くくらいなら。それを考えたら、こうしておく方がましだ。
うちに押しかけて来ない事を祈りたい。
今までは、一度だって私の部屋に来た事は無いから、それは今更無いかな…。
元々部屋は教えて無いから知らないだろう。
はぁ、…気分が晴れない、相変わらず重苦しい…。
早く体を投げ出して…座りたい…。いや、床に突っ伏してしまいたい…。
…、ん?…ちょっと、…誰。…誰?!
部屋を間違えるはずはない。
ここ5階だし、502だし。間違いなく私が賃貸契約している部屋だ。
じゃあ…誰、何、この人。
早く部屋に入りたいのに。
ドアの前、膝を曲げて、体育座りのように座っている人が居た。
もしもし…ひょっとして酔っ払いさんですか?訪ねる部屋を間違えたとか…。
具合が悪いのかな…寝てるのかな…。
嫌…ちょっと、誰…。私、この状態では部屋に入れないんですけど。
「あの…すみません、ちょっと?…もしも〜し?」
肩を軽く叩いてみた。
うわーっ。
グラーッと横に倒れそうになった。
もうー、ちょっと…、誰か助けて!