どきどきするのはしかたない
月曜からは会社に出た。
捻挫した足で普段と同じようなパンプスは履いて歩けないから、ほぼヒールの無いタイプを履いて出勤する事にした。
今日は自分の部屋からの出勤だ。
こんな状態になっている私に、治らない内から更に危害を加える事は無いだろうと私が勝手に思ったからだ。あくまで、押した人間が課長の結婚相手だった人だと仮定しての話だけど。
そう決めたら譲らない。
夕べの内に帰って来ていた。課長は勿論居ろと言ったけど。
身体の痛みは薬でなんとかなる。
痣の色が消えて完全に元に戻るには時間はまだ掛かるだろうけど、痛みはかなり大丈夫になっていた。
ただ、1番強く打った胸は痛かった。
いつもより早めに出る事にした。
だからだろう。
隣の部屋のドアが開き、七草さんが出て来るのと一緒になった。
「…おはようございます」
「おう、おはよう。足、どうした…」
足首に包帯を巻いているから目が行ったようだ。
「ちょっと捻っちゃって」
「そうか、歩けるのか?」
うちの前まで来ていた。
「はい。何とか、歩くのは大丈夫です」
…。
「あ、どうぞ、先に行ってください。
私はゆっくりペースなので」
「いいよ、エレベーターまで一緒に行こう」
え?
これは…大して変わらないとは思ったが…、横に並び、後ろから腕を回すようにされて歩いた。
「すみません、大丈夫なんですよ。何だか、こんなの申し訳ないです」
エレベーターに乗り込んだ。
1階を押した。
「水曜の夜からずっと留守だったな。
犯人、ちゃんと捕まるといいけどな」
ドアが閉まった。
「え?」