どきどきするのはしかたない

深く甘いキスも、唇を食まれるのも、…軽く触れるだけのキスをして見つめられるのも、全てが夢の中のようで…。ふわふわと甘くて、でも堪らなくて…。身体が疼いて……ドキドキし過ぎて、息があがりそうなくらい胸が苦しかった。
やがて課長の唇は首に触れ肩に触れ、私の反応を確かめるように身体に触れていった。
時間をかけているのは労りなのか、焦らされているのか解らなかった。私は課長に腕を回してただ夢中だった。涼葉って、何度も呼ばれる度、ドキドキした。声にならなかった。
課長と一つになれた時、もう今日で終わりになってもいいと思った。それだけ課長の事で一杯だった。離れたくない。そんな思いが伝わったのか、深く繋がったまま口づけを繰り返し課長は暫く抱きしめてくれていた。そして、それから何度も愛された…。
眠ってしまったのか、目を覚ますと、課長はこのまま眠ればいいと腕の中で言ってくれた。嬉しかった。
…でも、朝帰りなんかしたら、色々迷惑がかかってはいけない。そう思って帰る事にした。
こんな遅い時間だからと言われたが、電車もまだぎりぎり走ってるし、間に合わなければタクシーでだって帰れる。だから、私は離れがたい気持ちを振り切って帰った。

それからは課長から、今日待ってるよって、メールが来るようになった。
早い時は、ご飯食べようってメールも来た。そして課長の部屋に…。
課長は忙しいからそう頻繁にって事でもなかった。でもそれが無理の無い自然な会い方だと思った。
好きだから。だからメールが来た時はただ嬉しかった。ずっとその気持ちは変わらなかった。

…間違いでは無かった。私は課長を好きだったし、課長も私を好きだった。決して都合のいい関係では無かったんだ。

私の心、身体。…身体は課長を覚えているんだと思う。
今、課長を思っていたら、色々、された事を身体が思い出していた。…はぁ。だから、好きでどっぷりと甘えていた人とは、簡単では無いという事なんだ…。簡単には忘れられない…。出来ない。…課長。
こんな事では、冷静な冷却期間なんて、有り得ないんじゃ無いのかと思った。
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