俺様室長は愛する人を閉じ込めたい~蜜愛同居~
「枕がない」
その言葉に、大きくため息をつくとドアを開けた。

スエット姿に、会社とは別人のようなさらさらとした髪をかき上げた大輔に、塔子は少し目を逸らした。
そして、そのまま大輔の横を通り過ぎると、隣の仕事部屋へと入った。

「ここっていったよ」
呟くようにいって、押し入れの奥から枕を出して、大輔を見ることなく大輔に枕をギュッと押し付けた。

塔子の仕事部屋は8畳ぐらいの広さの和室だ。
リノベーションされた、洋室に加えてこの趣ある和室も気に入っていた。

その和室に敷かれた布団に目をやり少しドキッとし、
「じゃあ、おやすみ。」
それだけ言うと、部屋を出て行こうと引き戸に手を掛けた。

「塔子」
後ろから呼ばれ、ドキンとまた胸が音を立てた。

振り向くことができず、立ち止まった。

「ありがとう。おやすみ。ゆっくり休めよ」
後ろから掛けられた昔から聞いていた優しい声に、

「おやすみ」
それだけを答えると、塔子は扉を閉めた。

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