俺様室長は愛する人を閉じ込めたい~蜜愛同居~
「え?」

「ああ、悪い意味じゃない。本質的なところ?」
塔子は大輔の言った意味を考えて、表情を曇らせた。

「甘ったれたままって……こと?」
塔子は恐る恐る大輔を見ると、言葉を発した。

「は?そんなこと言ってない。仕事も女性で役職つきなんて相当頑張ったんだろ?きちんと評価してるよ」


「じゃあ…何?」

塔子の不安げな表情をチラッと見て、大輔は少し考えた後、

「俺のわがままを受け入れるところ」
じっと塔子の瞳を見つめると言われ、塔子は顔が熱くなるのを感じ、慌てて目を逸らした。

「や……めてよ。ふざけるの」
それだけ言うと、塔子は慌ててお茶を飲んだ。

大輔は箸を置き、頬杖をつくと、いじわるそうな微笑みを浮かべた。

「やっぱり、塔子はかわいいな」

「ふざけないでっ!ごちそう様!」

そう言うと、塔子は立ち上がり自分の食器を持ちキッチンへと向かうと、流しに食器を置き、水を流しながら下を向いた。

(なんなのよ。まったく。あんなにイジワルだった?あんなに、ドキドキさせる男の人だった?10年は長いよ。あんなだいちゃん知らない。完全のだいちゃんのペースだ……。このまま昔みたいに深みにはまって、傷つくのはもう嫌なのに……)

「俺洗おうか?」
塔子がなんとか気持ちを立て直そうと必死なところに、追い打ちをかけるように大輔はピタリと塔子に寄り添った。

「いい。やるから置いといて」
それだけを顔を上げずになんとか答えると、塔子は、ひたすら流れる水を見て心を落ち着かせていた。

「ありがとう、よろしくな」
言葉と同時にポンと置かれた頭上の手の温もりに、塔子の心のたくさんの中の鍵がまた一つ外れた音を聞いた。

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