特別な君のために
両親が調べ物をしている少しの間、私は大好きなデラウェアを食べる。
内心、落ち着いて食べている場合じゃないのだけれど、何かしていないともっと落ち着かないから。
こんな時でも、ブドウは美味しい。デザートは別腹。
どうしてだろう。
お父さんがタブレットの画面を眺めながら、シビアなコメントをくれた。
「心理学部は偏差値が高いな……これは結構勉強しないと厳しいぞ。就職率はいいけれど、ケースワーカーや保護司、スクールソーシャルワーカー、特別支援学校の教員が多いのか……。大変だぞ、きっと」
確かに、公務員が多いけれど、どれも大変そうな仕事だと思った。
「いいの。覚悟してるから。それに、千春がいい経験をたくさん積ませてくれたから、きっと私、耐えられると思うよ」
「まあ、それはあるかも知れないな。でも、千春と他の人では全然対応が違うはずだから、色んなことを勉強する必要があるだろうな」
「うん、千春はたった一人の妹だけど、同時に私の師匠でもあるから。千春で練習させてもらった色んなことが、やっと役に立つんだよ!」