特別な君のために

もちろん、自分の生活を大事にしたいと思う。

もし、どこかの企業や施設に就職したとして、そこが地元から離れているところだったら、千春と暮らすことは不可能だ。

お母さんのいうとおり、千春は将来、グループホームなどで支援を受けながら暮らしていくことになるだろう。

でも、いわゆる預けっぱなしには絶対にしたくない。


時々帰って来る家が、千春には必要だ。

家に帰って、家族に甘えて、好きなように歌って、お菓子を作ったり食べたりして、ドライブへ連れて行って。

施設で暮らす以上、我慢しなくてはならないことはどうしても出てくる。

そこを家庭でフォローして、千春が施設へ戻ったときに、また頑張れるだけのパワーチャージをしなくては。

今は、お父さんとお母さんがいる、この家が千春のホームだけれど、お父さん達だっていつまで元気でいられるかわからない。

だから、私がどんなマイホームを創ることができるのか、どんな支援が大人になった千春に必要なのか。

それも大学で勉強したい。

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