その笑顔が見たい
それから午後はアポを取っていた二件と移動途中でアポ取りした一件を回る。
午前中よりも落ち着いて仕事が出来た。
夕方の食堂は定時が終わった十七時〜十九時までの二時間、残業者用に開いている。
お昼よりも時間の余裕があった。
外回りして帰社したのは十七時を回ってからだった。
宮崎は午前中に指示しておいた仕事は終わっていて、その報告が上がっていて、そのあとは柳さんの仕事を手伝っているようだ。
「お疲れ様、これ、ありがとう」
机にあった頼んでおいた集計表を手で持ち上げ隣の宮崎にお礼をいう。
「お疲れ様です。確認をお願いします」
「了解」
仕事はできる。ミスも少ない。取引先への対応も評判がいい。
見た目も綺麗という部類に入るはずだ。
けれど、どうしても彼女に嫌悪を抱くのは、ある出来事があったからだ。
最近まですっかり忘れていたが、食堂の様子を知りたくてウズウズしている今、思い出したことがある。
それはまだ宮崎が自分のアシスタントに着く前だった。
明らかに残業時間に食い込む会議を企画に強いられ、柳さんと夕方の食事を取りに食堂へ行った時だった。
柳さんが食後の一服をするために食堂と併設されている喫煙ルームに寄っている間、同じ場所にある休憩室でコーヒーを飲みながらスマホをいじっていた時だった。