その笑顔が見たい
会社の方針、上司の命令でアシスタントになってしまったのは仕方がない。
嫌悪はなるべく見せないようにして宮崎と接すると、彼女なりに良いところも見えてきている。
仕事をする上ではなんの支障もないはずだ。
宮崎が作成した集計表は完璧だった。
「宮崎さん、これ、よくできてる。ありがとう」
「はい。他に何かありますか?」
もう定時はとっくに過ぎていた。
「この集計表のファイルを転送してくれたら、こっちはもう大丈夫だから。柳さんの仕事が終わればあがって良いよ」
「…わかりました」
何か言いた気に返事の前に一呼吸置くのは彼女の癖。
それに気づかないふりをして流すのは俺の常套手段。
彼女が何を考えているのか、何をしたいのか、知りたくないし興味もわかない。
作ってもらった集計表を元に今後の営業計画を立てる。
だから完璧な仕事をしてもらうのはとても助かる。
データを見ながら、腕時計を確認した。
十八時前。
残業者がこぞっていく食堂の時間はピークを過ぎた頃だろう。
わざとピークを避けて行きたかった。
もし葉月だったらと思うと胸が踊る。
集中して考え立てる営業計画を提出すにはまだ数日時間がある。
なら…