その笑顔が見たい
食堂に近づくにつれて、鼓動の速さは激しさを増す。
とうとう食堂に着き、ただ調理場の人を探そうとしたら桜木から注意された。
「翔ちん、挙動不審で怪しいから食事しながら調理場を見ようよ」
今日ばかりは桜木が頼もしく思えて、ありがたく従う。
メニューを選ぶ余裕もない俺の前に珍しく桜木が並ぶ。
いつも「おまけ」目当てだから、必ず後ろに並ぶのに。
「ラーメンセットを二つお願いします」
桜木が言うと「はーい」と元気な声が聞こえてきた。
「いつものおばちゃんだ。彼女が教えてくれたんだよ、葉月ちゃんは夕方からだって」
「そうなんだ」
待ってる間も葉月の姿を探す。
一通り見る限りでは見当たらない。
そのうち、注文したラーメンと半チャーハンのラーメンセットが出来上がってきた。
「あれ?」
「何?」
「おまけが無い」
「お前なぁー」
呆れながら桜木を軽く足で押す。
「もう、翔ちん、蹴らないでよー」
そうこうしているうちに自分の分も出来上がり、トレイにラーメンと半チャーハン。
そして餃子が置かれた。
「あー、翔ちんだけだ」