王様と私のただならぬ関係
いやいやいやいや。
待って。
前から突っ込もうと思っていたんですけど、如月先輩っ。
私は、先輩と付き合った覚えも別れた覚えもないんですけどっ、と大地に手を握られたまま、明日香は固まる。
先輩の頭の中ではなにが起こっているんですかっ。
ある日、別の先輩から、自分が大地と付き合って別れたと聞かされて驚いたくらいだ。
「お前が俺のところに戻ってきてくれるのなら、俺は見合いの話は断る」
断らないでっ、と思いながら、救いを求めて、周囲に視線を巡らせたとき、大地の巨体の隙間からそれが見えたのは、彼もまた、大地並に背が高かったからだろう。
「は、はは、葉月さんっ」
なんで、この人、こっちの棟に居るんだ、と思いながら、思わず、呼び止める。
あれはポスターですか?
いいえ、ポスターではありません。
という中学一年生の英会話のような関係しかない男だったが、なんとなくその名を呼んでいた。
「葉月?」
と大地が振り返る。
待って。
前から突っ込もうと思っていたんですけど、如月先輩っ。
私は、先輩と付き合った覚えも別れた覚えもないんですけどっ、と大地に手を握られたまま、明日香は固まる。
先輩の頭の中ではなにが起こっているんですかっ。
ある日、別の先輩から、自分が大地と付き合って別れたと聞かされて驚いたくらいだ。
「お前が俺のところに戻ってきてくれるのなら、俺は見合いの話は断る」
断らないでっ、と思いながら、救いを求めて、周囲に視線を巡らせたとき、大地の巨体の隙間からそれが見えたのは、彼もまた、大地並に背が高かったからだろう。
「は、はは、葉月さんっ」
なんで、この人、こっちの棟に居るんだ、と思いながら、思わず、呼び止める。
あれはポスターですか?
いいえ、ポスターではありません。
という中学一年生の英会話のような関係しかない男だったが、なんとなくその名を呼んでいた。
「葉月?」
と大地が振り返る。