王様と私のただならぬ関係
 すっ、すぐに出るのもなんだかあれだしっ。

 ずっと側に置いて待ってたみたいだしっ。

 いや、待ってたけどっ!

 ちょっと間を置いて……
 
 る間に切れちゃったら、どうしようっ! と思い、結局、すぐに出てしまった。

 まあ、向こうが二回くらい鳴ってから、こっちが鳴り始めるという噂もあるし、すぐに出た感じにはならないだろうと思いながら、落ち着いた声を演出しつつ、

「着きました?」
と訊く。

 そのまま、しばらく話していた。

 すると、全然違う話をしていたのに、突然、秀人が、
『俺以外の誰が来ても、玄関、開けるなよ』
と言ってくる。

 ……なんだろう。

 なにかあったのかな、と思った。

 私が心配しないよう、伝えないだけで。

 そうっと窓辺に寄り、音を出さずに、ロールカーテンを開けてみた。

 うっ。
 如月先輩っぽい人影が、茂みの辺りをウロウロしている。
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