王様と私のただならぬ関係
「貴継(たかつぐ)さんっ、貴継さんっ!
 外に彫像のように美しい人が居ましたっ!」

 熱く語ったのだが、冷ややかに見られる。

「……俺よりか」

 いや、貴方、美しい、という感じではないのですが。

 男らしい、とか、格好いいとか?

 じっと貴継は自分を見つめている。

 い、言えと言うのか、と思いながら、

「……かっ、格好いいです、貴継さんが、この世で一番」
と言うと、よし、と頷いた貴継は、

「何処に居るんだ、その彫像は」

 見に行ってやる、と新聞を置き、立ち上がった。









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