キミと秘密の交換恋日記
「アイミン大丈夫?」

一緒に店を出たアレイがわたしを心配してくれている。

「うん、大丈夫。ありがとう」

一気に疲れている中、わたしは無理矢理アレイに笑顔をつくった。

そうしてわたしとアレイは二人並んで何も言わずに歩いて行った。

アレイに何かを言おうとしたけれど、なにを言おうとしたのか忘れてしまった。

忘れるってことは多分、それほど大切なことではないということ。
だからいいんだ。

けれど、アレイの隣でなにを言おうとしていたのかがずっとわたしの心に引っ掛かる。

「ねーぇ、アイミン。」

わたしがアレイになにを伝えようとしていたのか思い出そうとして俯いているとアレイのテンションが高い声が聞こえてくる。

「どうした?」

わたしがびっくりして反射的にアレイの方を向くとアレイが笑顔でわたしに言う。

「アイミンのボブスタイル楽しみー。早く来週の月曜日にならないかなぁ。」

そんなアレイの言葉にわたしは思わず苦笑いをしてしまう。
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