空の色をおしえて


「お前さ、本物の流星群見たことある?」



「うーん、そういえばないかも。そういつも見られるものでもないしね」


「まぁそうだな。俺はさ、小さい頃に1度だけ見たことあってさ。今でも忘れられねぇよあの感動は」

秋人は目を輝かせながら言った。

昔から自分の好きなことの話になると、子供みたいに無邪気な笑顔がかわいかった。

目尻にくしゃっと出来たしわが、とても愛らしい。


「いつかさ、美咲も一緒に見られたらいいな。絶対感動するぜ」




「う、うん、そうだね」


……どうしてこう希に嬉しい言葉をくれるのだろう。

せっかく隣まで移動したのに、笑顔が眩しすぎてそっちを見ることが出来ない。


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