空の色をおしえて
時間が止まったのかと思った。
星はまだ彼方へと流れ続けているのに、わたしたちの時間だけが静かに止まっているかのようだった。
秋人は、きっと知らない。
わたしはもう何年も前から、ずっと秋人のことが好きだった。
焦がれていた。
触れたかった。
心に、体に、そのすべてに。
この腕を離したら秋人がどこかに行ってしまうような不安にかられて、必死にしがみつく。
「なんでよ……わたしのこと絶対好きにならないって言ったじゃない……なら、こんなことしないで」
言葉とは裏腹に、秋人の腕が、背中が、取り巻く空気が、そのすべてが愛しくて離れることが出来ない。
「……どうにも出来ねぇんだよ。人間の感情は1つじゃないだろ」
「お前は隼人のもんだって自分の気持ち抑えようとしたけど、お前ら見てるともやもやすんだよ……俺もガキだな」
そう言うと秋人は、初めてみる表情でわたしを見た。