空の色をおしえて
秋人は汗ばむ体をそっと離し、さらさらと風を受ける砂浜へと下りた。
白い絨毯のようなそこに寝転ぶ。
一瞬、拒絶されたのかと思った。
でも、まだ体に残る微かな彼の温もりが、わたしの気持ちを受け入れてもらえた証拠なんだと思っていいのだろうか。
──人間の感情は1つじゃないだろ
そう言った秋人の気持ちは、何となく分かる。
色々な感情が混在しているけれど、すべて
が嘘偽りなく心の中にあるものだ。
少しずつ冷静さを取り戻した頭で、ぼんやりとそう思った。
「秋人は、わたしが隼人君と付き合えばいいと思っているの?」
聞いたって仕方がない。言葉では言い表すことが不可能なほど、とても複雑な感情だから。
そんなこと分かりきっている。
でも、問わずにはいられなかった。