空の色をおしえて


浜辺へとおりて、寝転ぶ秋人に寄り添うように腰をおろす。


ずっと気になっていたことがある。
これでやっと繋がった。

心を落ち着けて、出来るだけいつも通りの口調で聞く。



「ねぇ、去年の夏休みにさ、駅前の本屋で英会話の本読んでたでしょ」


「あの頃からもう決めてたんだね。わたしにも何度か言おうとしてくれた?」



「うん、そうだね。でもなんでか言えなかった。ごめんな」


「……ううん、いいの」


そもそもそれはわたしがいけないんだ。
今になったかもしれないけど、本人の口からちゃんと聞けて良かった。
話してくれて嬉しかった。
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