空の色をおしえて
「ねぇ、なんでアメリカなの?」
「サンディエゴは、俺のじいさんが暮らしてた街なんだ。じいさんはさ、まぁまぁ有名な宇宙飛行士なんだぜ。て言っても俺が産まれる前に死んでっけどな」
「そう……なんだ、知らなかった。憧れてるんだね」
初めて聞く話だった。
小さい頃から一緒にいても、知らないことってたくさんあるんだね。
秋人はずっと、アメリカにもおじいさんにも憧れを抱いて心の中で温めてきたんだ。
「憧れっつーか、まぁ血は争えねぇんだな」
笑いながら秋人は言う。
「ある日突然さ、『この狭い地球から飛び出したい!!』って思って、それを彩花に言ったらさ、あんたのじいさんは本当に飛び出しちゃった人よなんて言われてさ」