空の色をおしえて
『狭い地球から飛び出したい』ってセリフ、なんて秋人に似合う言葉なんだろう。
わたしからしたら世界は広くて大きくて、その中に埋もれてしまわないように毎日必死なのに。
秋人はもしかしたら、いつか宇宙にすら退屈してしまうのかもしれない。
そんな姿が容易に想像出来てしまう。
本当、かっこいいよ。
いつだったかあなたは言っていたよね。
──美咲はさ、没頭しすぎて大切なもの見失うタイプだね
大きくて広い視野を持つ秋人からしたら、そう見えても仕方のないことだったのかもしれない。
本人はもう忘れてしまったかもしれないけれど、わたしはあれからずっと心のどこかに引っ掛かっていた。
何か大切なことのような気がしてならなくて。
でもそれは当たり前の日常をただ消化するだけの毎日では、気がつくことが出来なかった。