春が来たら、桜の花びら降らせてね
「最後まで、俺はあの子になにもしてあげられなくて……だから今度会えたら、俺があの子を傷つける全てから守るって決めたんだ」
前から、夏樹君の言葉に引っかかっていた。
例えば、雨の中で夏樹君が言った言葉。
『全てを洗い流してくれるみたいで……許されたような、癒されたような気になったんだよ』
あの時は、雨が好きな理由も深くは考えていなかった。
『俺は……お前が怖くて、自分の罪を見ているみてぇで、苦しくなるのに……』
私を、自分の罪だと言った理由も。
『冬菜のこと、誰にも俺自身でさえ、傷つけさせない』
ペットショップで言った、この言葉の意味も今やっとわかった。
「夏樹君は……」
そして悲しいことにも気づいてしまった。
夏樹君は、傷つけたその子と私を重ねて見ている。
罪滅ぼしのために、私に優しくし、そばにいてくれてるのだと。