春が来たら、桜の花びら降らせてね

「あっ……あ……」

怖い、みんなが私の話をしている。

──誰か……助けて……!
心が悲鳴を上げた時だった、目の前に誰かが立った。

「琉生、冬菜を困らせんな」

……夏樹君だ。
私を背中に庇うように立ち、まっすぐに琉生君を見据えている。

その大きな背中に隠されて、私はホッと息をついた。

夏樹君の姿を見ただけで、居心地のいい陽だまりを見つけた猫のような気持ちになり、大きく安堵する。

「こんな場所で、目立つだろーが」

「そうでもしないと、夏樹は向き合わないだろ」

「冬菜の気持ちも考えろよ!」

夏樹君……。
いつも、私の気持ちを先回りして、守ろうとしてくれる。

夏樹君の優しさは、桜の花びらが降り積もった薄紅色の絨毯のように、ふかふかで温かい。

そんな夏樹君に胸がじーんと熱くなると、思わず泣きそうになった。

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