春が来たら、桜の花びら降らせてね
「で、受けるのか?」
「ったく……冬菜」
琉生君と対峙していた夏樹君が、私を振り返って少しだけ体を屈めると、申し訳なさそうな顔をした。
「冬菜の気持ちを抜きにして悪い。けど……俺も、冬菜が琉生とデートすんのは嫌だから、勝負受けさせてくれな?」
それって……どういう意味?
って、そんな深い意味なんて無いよね。
ただ、私が困っているから、助けようとしてくれているだけだ。
私の方が申し訳ない気持ちになりながら、同意するように頷いたのだった。
「それにしても、修羅場だねぇ~」
「リュウ坊と冬菜ちゃんの取り合いか、負けるなよ夏樹?」
琴子ちゃんと誠君が、子犬のように好奇心丸出しな顔でそう言った。
琉生君と別れて、校庭にやってきた私たちは、じりじりと容赦なく大地に染み入る日差しの下にいる。
先ほど開会式を終えて、それぞれ自分の出番を観客席で待っているのだ。
それだけなのに、体中が水を被ったかのように汗で濡れる。
私は熱にあてられて、若干意識がボーっとしつつ、みんなの話に耳を傾けた。