春が来たら、桜の花びら降らせてね
「うるせー、そんなんじゃねぇよ」
「へぇー、じゃあ冬菜ちゃんがリュウ坊に取られちゃってもいいわけだぁ?」
琴子ちゃんと誠君まで琉生くんをリュウ坊呼びしている。
たぶん、夏樹君が呼んだあだ名を気に入ってるんだろうな。
それにしても、こういう時、私はどうしたらいいんだろう。
琉生君に気持ちには答えられないって、伝えればいいのだろうか。
「んなわけねぇーだろ!冬菜のことは、俺がぜってー守る!」
「あっ……」
夏樹君、私のこと守ろうとしてくれてるんだ。
その言葉に、あれ……胸が切ない。
嬉しいはずなのに、それが夏樹君の優しさゆえの行動なのだと思うと、私じゃなく他の誰かでも、同じことを言ったのかなって、寂しくなった。
そんなモヤモヤを抱えながらも、みんなで観戦したり、琴子ちゃんと障害物リレーに出たり、誠君も長距離走に出たりと次々に出番を終えていく。
「次は、クラス対抗リレーです、選手は入場口に集まってくださーい!」
そしてついに、その時がやってきた。
クラス対抗リレーのプラカードを持った、体育係が選手にそう声をかけて歩いている。