浅葱色の忍

土方歳三

宴を早くに抜け出して
烝華と2人きりで話をする


そんな、かっちゃんの企みは、失敗



というか、かっちゃんに計画させたら
大体は、こうなる


詰めが甘い


大方、烝華と2人きりにと主人に言わず
烝華を呼んでくれと言ったに違いない


「意地張らずに呼べばいいのに…
それとも、聞かれて困る話でもすんのか」


「なっ!そんなことはない!!!」


「だったら、呼びましょう!ふふふっ」


山南さんが、加勢をしてくれて
かっちゃんの背中を押す


「いや!いいんだ!今日は…いい!」


この、意地っぱり!!!



「君菊 近藤さんの相手を頼む
烝華と話してみたいなぁ~と思ってな」


「クスクス へえ
かしこまりました」


「とっ 歳! ズルイぞ!!」


「おい!烝華!こっち来い!」



何事かと、こっちにやって来る



「どないしはりましたんえ?」


「君菊 近藤さんと山南さんの間に入れ
烝華は、俺と近藤さんの間に入れ」


「へえ」



俺が席替えをする分には
かっちゃんに非は、ねえだろ!


上手く力になれたと
満足していると

烝華の着物を踏んでしまい


「ひゃっ!」


受けとめるつもりが
いや、受け止めたが

俺の手が、烝華の胸を掴んでいた…


「わ…悪い」


謝ってみたものの

真っ赤な顔で、うるうるして
胸を抑えてて

やべえ…


こりゃ 生娘だ



「すまんへん/// 驚いたんどす///
なれてまへんし/// 堪忍///」


「いや すまん
俺が、着物踏んじまったから…」




ふと、視線を廻りに向けると



〝何してんだ!この野郎!!〟


と、言う皆からの殺気を感じる



そして、かっちゃんからの
恐ろしい視線




「烝華!ほら!近藤はんにお酌!」


「へえ!どうぞ!」



君菊の気遣いでどうにか
悪人にならずにすんだ



「烝華 久しぶりだね」

「へえ お久しぶりどすな」



当たり障りない会話だが
かっちゃんが、心底嬉しそうに
烝華と会話を始めた


ちょいちょいと君菊を手招きして


俺の所に呼び戻す


「さすが!副長はんやなぁ!
危ないところどしたが、良い雰囲気どす!
烝華も近藤はんも、想い合ってるて
わかりやすいどすなぁ」


「だろ? わかりやすいから
深雪にヤキモチ妬かれるんだろうが
あんだけウブなら、深雪のヤキモチは
単なる空振りだな
会話もまだぎこちないもんな」


「そうどすな
深雪の気持ちもわかるけど
人の気持ちは、どないもでけしまへん
無理やり振り向かそうとしても
余計にひっつくこともありますよってな」


「なんのことだ?」


「土方はんが…
うちに振り向いてくれへんやろか
って、話どす
新選組に恋したお人をどうにかしたいんどすけど、なかなか上手くは
いかへんのどす ふふっ」


あんまり可愛いことを言うので
君菊の鼻をつまむ


「いひゃい!」


「クククッ 振り向かせてみろ」


「もぉ!」











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