black×cherry ☆番外編追加しました
「・・・なにしてんだ・・・大丈夫か」

「はい・・・。すみません・・・」

釣り針を引き取ると、黒崎さんは握っていた鰺をバケツの中に泳がせた。

そして無言で私の手を取って、人差し指の傷口を見た。

「・・・切っただけだな。深くはないと思うけど」

言いながら、傷口を拭った後に、絆創膏を巻いてくれた。

一瞬痛みがあったけど、すぐにそれも治まった。

「すみません・・・」

「ああ。やっぱ、針は難しかったな」

ドキドキと、手当てしてもらったばかりの人差し指を見つめてしまう。

すると、黒崎さんは私の顔を覗き込む。

「痛むのか」

「あ、いえ。切った時は痛かったですけど、今は大丈夫です。・・・あの・・・」

ドキドキしていた。

頭の中が、のぼせ上っているみたい。

口ごもる私に、黒崎さんは「なに?」と先の言葉を促した。

「ありがとうございます。その・・・優しくしていただいて・・・」

上手く言葉にできなかった。

黒崎さんは、そんな私を呆れるような顔で見た。

「優しくって。傷に絆創膏貼っただけだろ・・・。そんなんだから、ホストにつけ込まれるんだぞ」

牽制するように、鋭い目で睨まれた。

苛立っているのがよくわかる。

「おまえみたいなのに優しいとか言われたら、それだけで舞い上がる男もいるだろ。今はへんな奴も多いから。優しいとか、軽々しく男に言うな」
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