black×cherry ☆番外編追加しました
指のケガは心配したけど、その後もほとんど痛まなかった。

バイオリンの演奏も、問題なく指が動いてほっとする。


(よかった・・・深い傷じゃなくて)


とはいえ、コンサートを控えた今日のこと。

緊張感が足りないと、今更ながら自分で思う。

練習前に釣り針でケガをするなんて、さすがに誰にも報告できない。


(冷静に考えたら、有り得ない行動だもんね・・・)


黒崎さんに会えて、一緒にいられて釣りを教えてもらえて嬉しかった。

きっと私は、すごく浮かれていたのだと思う。

「咲良、どうしたの、指」 

休憩中、そんなことを考えながら人差し指を眺めていると、同級生でコンミスの彩華ちゃんに声をかけられた。

ちょうど怪我を後ろめたく思っていた時だったので、私はドキッとしてしまう。

「あ・・・ちょっと、切っちゃって」

「えー?何?料理中とか?」

「・・・う、うん・・・」

「やだ、気をつけてよー、コンサート前にケガとか有り得ないからね。大丈夫なの?」

「うん。小さな傷なの。痛くもないし、大丈夫だよ」
 
「ならいいけど。あとちょっとなんだから。ケガは気をつけてよね」

「うん・・・」

当然の注意。

私はそれに、頷くことしかできなかった。










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