black×cherry ☆番外編追加しました
(これで最後のコンサートなのに・・・)


これまで積み重ねてきたものを、思い出してまた涙が溢れた。

こんな場所で。

私はまた泣いてばかりで、本当に・・・迷惑なのは確実だ。

けれど、堰を切ったように流れる涙は、抑えることができなかった。

「・・・弾けないのか」

「い、え・・・。でも、うまく、は、できな・・・かも・・・」

泣きながら、黒崎さんの問いに答えた。

ほとんど言葉になっていなかったけど、聞きとってくれたようだった。

「それなら、平気じゃないのか」

「え・・・」

「弾けるなら、うまくなくても」

「・・・そ、なこと・・・」

ショックだった。

弾ければなんでもいいだろって、突き放された気分になった。

きっと、黒崎さんには、私のケガなど全く関係ないことで。

演奏の出来栄えなんて、そんなことはどうでもいいのだと思う。


(でも、私はこれで最後で・・・。黒崎さんにはわからないよ・・・)


今までに、重ねた時間を思い出す。

悔しくて、悲しい気持ちでうつむくと、黒崎さんは、落ち着かない様子になって後ろ髪をかきむしる。

「・・・・・・行けたら、行くから」

「えっ・・・」
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