black×cherry ☆番外編追加しました
「今日のコンサートも素敵だったわ。咲良ちゃん、本当にバイオリンが上手で・・・綺麗で見とれてしまったわ」

「い、いえ・・・、どうもありがとうございます・・・」

「ふふっ。ほんとよ。こんなお嬢さんがお嫁さんになってくれるだなんて。私たち、本当に嬉しくてね」


(あ・・・)


お母様に笑顔を向けられ、胸にぎゅっと痛みが走った。

確実に、早川先生との縁談は、私以外の間で急スピードで進んでる。

「・・・あの・・・」

「ん?なあに?」


(どうしよう・・・)


「結婚したくない」なんて、この状況で言える勇気は私にはない。

だけど、このままではどんどん話は進んでく。

どうしよう、どうしたらいい?

迷う私に、ママが焦ったように言葉をかけた。

「ほら、咲良。また今度、お食事会の時にゆっくり話をしましょうか。今日はあなたのケガのせいで延期になってしまったんだから」

ママの言葉に、先生のお母様ははっとしたような表情になる。

「そうだわ。とても上手だったからケガのことはすっかり・・・もしかして、痛んでいるの?」

「いえ、今は大丈夫です。昨日薬を塗ってもらって、だいぶよくなっていて・・・。すみません、延期するほどではなかったかもしれません」

「あら、いいのよいいのよ。よくなってよかったわ。疲れているでしょうし、食事会は気にしないでね。また今度、ゆっくりお話しましょうね」

「はい・・・」

優しく声をかけられて、思わず返事をしてしまう。

そんな自分を、すぐに後悔するけれど。

「すみません、本当に・・・。咲良、おばあさまとおじいさまにご挨拶したら、帰りは早川先生に送ってもらってちょうだいね。私たちは、先に家に帰っているから」


(えっ?早川先生に、って・・・)


突然の展開に、私は驚く。
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