black×cherry ☆番外編追加しました
「・・・その、オレは、口も悪いしあんまりうまく言えないけど」

「はい?」

「無理して合わせてるとかじゃねえぞ。本当に、おまえがよければどこでもいいって思ってる。付き合ってから、どこにも連れて行ってやれなかったし」

照れたように話すので、私は少しドキリとした。

私のことを、考えてくれてるんだよね・・・。

「あ、ありがとうございます」

「礼を言われることじゃない。オレがもっと、おまえが好きそうなところとか、聞かないでもわかればいいんだけど」

「残念ながらわからない」と、黒崎さんは呟いた。

落ち込んでいるようだけど、そうやって、考えてくれることが嬉しい。

「ふふっ、黒崎さんは、やっぱり優しいですね」

生クリームを頬張りながら嬉しい気持ちで伝えると、黒崎さんは「はあ?」と言って、怖い顔になってしまった。

「・・・咲良はほんとに、『優しい』の基準がおかしいぞ」

「えっ」

「怖いとか冷たいならよく言われるけど。優しいって、おまえぐらいしか言わねえぞ・・・」

怒られているのか、それとも、反論すべきことなのか。

似たようなことは前にも言われた気がするけれど、本当に、私はそう思うのに。

「優しいですよ。私、好きです」

言うと、黒崎さんは突然ゲホッとむせこんだ。

そして、赤くなった顔で言う。

「おまえは・・・。恥ずかしげもなく、こんなところでそういうことを真顔で言うな」
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