black×cherry ☆番外編追加しました
フルーツパーラーを後にして、ショッピングモールの廊下をぶらぶらと二人で歩く。

お互い、なんとなく気まずくて、しばらく無言でいたけれど。

「・・・なあ」

「は、はい」

「明日も暇?」

ふいに聞かれて立ち止まる。

私はコクンと頷いた。

「オレも休みだ。連日で嫌じゃなければ・・・明日もどっか出かけるか」


(わ!)


「はい!」と笑顔で返事をすると、黒崎さんは、ほっとしたように笑ってくれた。

ついさっきまで微妙な雰囲気だったのに、一瞬で、明るい空気に包まれた。

「どこがいい?」

「そうですね・・・。黒崎さんは行きたいところありますか?」

「いや。けど、おまえがなければ考える」


(うーん・・・そうだなあ)


行きたいところはたくさんあるけど、明日はどこがいいだろう。

今日は映画に付き合ってもらったし、黒崎さんはもともとお疲れみたいだし・・・明日はのんびりがいいかもしれない。

そうしたら・・・。
 
「迷惑じゃなければ、黒崎さんのお家に行ってみたいです」

私が言うと、黒崎さんは「ああ!?」と凄んだ。

そこまで怖い顔をしなくても・・・。

「馬鹿かおまえは・・・。ダメに決まってるだろ」

「ご、ごめんなさい、迷惑ですか」

「迷惑っていうか。家なんて、オレがなにするかわかんねえだろ・・・」

「約束は絶対破れない」と、黒崎さんは最後に言った。

ーーーパパと交わした約束のこと。

私たちの関係を、黒崎さんは託されたから。

きっと、いろいろと考えてくれているのだろう。
< 317 / 318 >

この作品をシェア

pagetop