black×cherry ☆番外編追加しました
黒崎さんは、館内でもやはり目立っていた。

ただでさえ男の人は少ないし、ちらほらと見かける男性たちより、頭ひとつ分背が高い。

加えて、強面で鋭い目つき。

スーツを着ているせいもあり、美術館の警備員さんより警備員っぽい雰囲気だ。


(不審者には見えないけど・・・。少なくとも、ミカちゃんを見に来たとは思えない感じだもんね・・・)


不機嫌な表情で、辺りを見渡す視線は怖い。

やっぱり、鑑賞よりも監視している雰囲気だ。

「居心地悪いな・・・」

黒崎さんがポツリと呟く。

当然、本人が周囲の視線に気づいていないわけがなく、入った時よりげんなりしている。

結構歩いて周ったけれど、展示はまだまだ続くよう。

この先、回り道をするような順路の矢印を見た黒崎さんは、「まだあるのか・・・」と大きなため息をついていた。


(黒崎さんは元々興味がない展示だし、ジロジロ見られて嫌だよね・・・。さすがにちょっと、申し訳ないな・・・)


そう思って、考えた私は黒崎さんに提案をする。

「あの、近道をしてそろそろ出ませんか。もう十分見れたので、私はすごく満足で」

矢印で示された次の順路には進まずに、このまま廊下をまっすぐ行けば、出口が近そうな雰囲気だった。

そのため、順路を飛ばそうと私は提案したけれど。
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