black×cherry ☆番外編追加しました
「ここまで来たら変わらないだろ。どうせだから全部見ていけ」

「でも・・・大丈夫です。もう、十分楽しかったので・・・」

黒崎さんに、これ以上迷惑をかけたくなかった。

気持ちはありがたいけれど、さすがに心苦しく思う。


(でも、また『大丈夫です』って言っても、『いいから見てけ』って押し問答になりそうだよね・・・)


どうしようか・・・と思った私は、言うよりも先に行動に移すことにした。

「あの、本当に大丈夫ですので・・・もう、出口に向かいましょう」

そう言うと、黒崎さんの答えは聞かず、正面の道をそのまま進んだ。

黒崎さんは私を引き留めようとしたけれど、振り向かない私に諦めたのか、そのまま後ろをついてきた。


(ちょっと強引だけど・・・こうでもしないと、黒崎さんは無理して付き合ってくれそうだもんね)


その後、少し先まで歩いて行くと、生花で飾られたアーチ状の門があり、すぐ脇の看板には「Thank you!see you again」と記されていた。

いかにもここでフィナーレ!といった雰囲気なので、きっとここが出口の門だ。


(よし、ここをくぐってしまえば・・・)


とりあえず、ミカちゃん展はここで終わりだ。

じっくり観れなかったのは残念だけど、懐かしいものがたくさん観れたし、来れてよかったと思う。

おじさまにも後で感想とお礼を言おう・・・と考えながら、生花で飾られたアーチをくぐった。

甘い香りが鼻をかすめる。一瞬だけの贅沢空間。

そして私に続き、黒崎さんが腰をかがめてアーチをくぐった・・・その時のことだった。
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