婚約指環は手錠の代わり!?
……よかったー、手順しっかりあたまにたたき込んどいて。

「なにかあったらいつでも相談して。
高見くんが心配してるみたいだから、彼経由でもいいし。
わかる?
高見くん」

「まだ顔と名前が一致しなくて……」

「んー、茶髪の……三課で一番、チャラそうな人?
眼鏡かけてる。
たぶんいま、一番、海瀬くんに怒られてる人」

「はい……」

ええ、一発でどの人かわかりましたが。
昨日も海瀬課長に嫌み云われてたし。
でもこの人、ほんとぐさぐさくること云ってくるなー。

「彼、あたまはちょっと軽いけど、悪い人じゃないから、頼るといいと思うよ。
……ん、そろそろ戻んないと。
じゃあ」

「はい、ありがとうございました」

軽くひらひらと手を振って去っていく、新橋さんの背にあたまを下げる。
結構スパルタっぽいし、口も悪いけど。
たぶん、悪い人ではないのだろう。
ただ、海瀬課長のことを海瀬くん、って呼んでたのは気になるが。
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